どうも、西沢夕佳(真面目)です。
私はいつだってマジですが、今日は特に大マジです。
だってこのタイトルで読みにきてくれた物書きの卵の前で、不真面目なことなんか言えないですよ。なぜなら私もまた「書く仕事なんてそうそうあるわけない」と絶望していた元保険屋なんですから。
でもね、断言します。
文章を書くのが好き。SNSはちょっと凝った投稿をしたくなる。個人ブログを少しでもやったことがある。副業にも興味がある。──そんな君のことを、ライター業界は心待ちにしているってね。
この世は「書く」仕事で溢れてる。
あなたはライターになれる。
「書く仕事」で生きていきたいという人って結構多いんじゃないかな。私はそういう人が1人でも「書く仕事」に希望を持ってほしい、と心から思っているんですよ。
だから今回は長めの記事を作りました。「書く仕事にはどんなものがあるのか」「どんな働き方があるのか」「将来のステップアップはあるのか」など“書く仕事”に興味がある人なら気になる内容を、余さずご紹介します。
世の中、本当に書く仕事だらけなんだ
「書く仕事で生きていく」となると、あなたはどんな仕事をイメージするでしょうか。
小説家、作家、詩人…。もし最初にこの辺りが思い浮かぶようであれば、あなたの未来は可能性に満ちています。なぜなら世の中には、このようなアーティスティックなライティング以外にも、もっとロジカルで商業的な物書きが溢れているからです。
「書く」って需要があることだ
そもそも「書くこと」から逃れられるメディアなど存在しない、というのが最初に考えるべきポイントです。
例えば現在は、Youtuberをはじめとした動画コンテンツが流行の一途をたどる時代です。でも彼らは「動画の素晴らしさ」だけで人気になったわけではありません。
魅力的なタイトルや、字幕の付け方、SEO(検索に多く引っかかるための対策)など「書くことに由来するスキル」を磨いたからこそ、彼らはトップクラスの地位を築けているのです。
他にも、人気のアイドルや時代にもてはやされる人気俳優のブログ・SNSがありますよね。あれだって、100%を本人が書いているとは限りません。SNSに慣れていない人が下手な発言をしたら炎上しかねません。
SNSでの炎上リスクを回避するため、基礎の文章だけはプロのライターが代弁して書く。これは極めてありふれた話です。
世の中のビジネスで「言葉」にまつわる部分は、8〜9割にプロのライターがどこかで絡んでいると考えられます。つまり、それほど「書くのが得意」な人の活躍のチャンスが世に溢れているということです。
そう。どんなコンテンツも、「書く」ことからは逃れられないんですよ。
そもそも「書く」仕事にはどんなものがある?
では具体的に、「書く」ことにはどんな仕事があるのでしょうか。特にイメージしやすいものを選んでみました。
「書く×●●」が仕事の種類そのもの
ざっくりと言えば「書くことで何を実現するか」「書くことで何を作るか」によって仕事を分類できます。
雑誌等記事ライター
紙媒体に掲載する記事を書くことを生業とするライターです。映画、音楽、旅行、アパレル、ビジネス、漫画などそのジャンル数は無限といっても過言ではありません。自分の得意ジャンルに特化したライターとなるパターンが多いです。
Webコンテンツライター(メディアや雑誌等のコンテンツを作る)
雑誌等記事ライターと似ていますが、こちらはWeb媒体のコンテンツを作るライター。基本的な文章力の上に、紙媒体にはない「SEO(検索対策)」に関する知識を必要とします。紙媒体に比べ、多くの人の目に触れる記事を作るのが特徴です。
広告ライター(広告にはめちゃくちゃ種類がある)
街に溢れるポスターやチラシ、さらにWebバナーのほか、ありとあらゆる広告のキャッチコピーやボディコピーを考えるライター。電車の中吊り広告や本の帯に書いてある文言を書くのが「コピーライティング」という仕事です。
ちなみに私は求人広告を中心に作ってきました。リクナビNEXTやエン転職などは見たことありますか?あそこに掲載されている企業ごとのページが「求人広告」です。
ブログ、アフィリエイト
厳密に言えばWebコンテンツライターに近いのですが、イメージがしやすいので便宜上紹介します。記事を作って、人を動かす。記事内の広告を収入源に活動する。これが一番メジャーな形ですが、現在は多様化しているため一言には紹介しきれません。
その他(結構重要です)
先に「言葉のあるところにライターあり」というようなことを書きましたが、例えばこんなものがあります。
- 企業やアイドルのSNS運用(つまり「中の人」になる)
- 企業の「営業担当(商品等を広める人)」が使う資料のテキスト部分を作る
- 履歴書や職務経歴書の代筆(私、コレ副業でやってました)
などなど…
とにかくライターには「できない仕事」がありません。言葉を使って人のためになれる時、そこに仕事を見出す。それこそが「書くスキル」を持つライターという人種の生き方です。
働き方の種類と強み・弱みは?
ライターとしての働き方の種類について、雇用形態の面からざっくりと3種類に分けてご紹介します。
企業に社員として雇われる
第一に、企業に籍を置く働き方があります。広告代理店や雑誌・書籍の編集社、Webメディアの運営会社、コンテンツ等の制作会社などがすぐに思いつくところです。
もちろん、上記の会社以外でもライターを必要としている会社はたくさんあります。しかし常駐させるほどの仕事がない場合は「書く」部分だけを外注するパターンが多いです。そのため最初からライターとして入社するのは難しい場合もありますね。注意が必要です。
長所と短所
■長所
メリットは「社員だからこそ受けられる待遇」です。いわゆる社員ライターの95%が納得する内容です。
給料日に必ず月給が支払われること、仕事がいつでも供給されること、会社が保険料や年金を払ってくれること、確定申告も書類を数枚提出すれば完了すること…。本当にありがたいです。
特に未経験のライターは、これらのサポートがなければ「書くスキル」ひとつでポツンと放り出されてしまいます。それはいわば、何のサバイバル知識もないままパンツ1枚で砂漠に放り出されるのと同じくらい厳しいことなのです。
■短所
短所としては「人間関係の問題」や「会社に時間を拘束されること」が挙げられます。会社員ですから、相性の悪い人がいてもうまく付き合っていく必要があります。それに朝起きて会社に行かなければなりません。
待遇面でのメリットと、会社員としての宿命。トレードオフ、という言葉がまさにピッタリです。
副業
会社員として働きながら、ライティングの仕事を請け負うのがこの働き方です。近年はいろんな業界で「副業」がトレンドになりましたよね。
初心者にとっつきやすいのは「ランサーズ」「サグーワークス」をはじめとしたクラウドソーシングです。個人として仕事を受注して、納品する。そんな形態が一般的ですね。
長所と短所
■長所
会社員としての定期収入を得ながらも、自分のスキルで収入を得ることができる、ということです。もちろんその実績は、自分自身の将来につながるキャリアにもなります。
たとえ「未経験歓迎」と称してライターを募集している会社でも、少しでも経験のあるライターを優先して採用するものです。ダブルインカムが奨励されるこの時代ですから、自分のスキルと実績を磨いておくことには大きなメリットがあると言えるでしょう。
■短所
「実績をもたない人がスキルを買い叩かれる」ということ。
ライティングに特化したクラウドソーシングである「サグーワークス」には、17万人ものライター登録者が存在しています。この中に未経験で実績もない人間がポンと放り込まれても、実績あるライターが取り組めるような高額案件はまず受注できません。
そうなると下層の登録者は「1文字0.1円」のような、超安価な仕事からちまちま実績を積むしか無くなってしまいます。これは極めて安価な案件であり、初心者にはリスクがある働き方です。
たとえば私自身はかなり筆が早い方なのですが、それでも5000字を書くのにどうしたって2時間はかかります。全くあり得ない話、全くペースを落とさず10000文字書いたら4時間。これでも1,000円にしかならないというのは、たったの時給250円で働くのと同じです。
だから実績を積みたいなら、ライターを未経験から募集している会社で1年でも働いた方が、何万倍もメリットがあるといえます。
フリーランス
単純に「自分で営業をかけて案件をとる。働いた分だけ収入が上がる」。それがフリーランスの働き方です。
長所と短所
■長所
時間に縛られない働き方や在宅で仕事ができる点は当然の長所ですが、他にもメリットがたくさんあります。それは「自分のスキルをもっとも活かせるように働ける」ということです。
会社に雇われるということは、会社が求める労働力を提供するということです。逆に言えば必要とされていない部分の知識やスキルは収入に直結しません。
例えば私は趣味・副業でカメラを持っています。プロ仕様のカメラで撮影〜現像・納品まで1人でできるのですが、広告会社に勤めているときにはそのスキルは1円にもなりませんでした。
なぜなら私は「ライター」として雇われたからです。もちろんスキルがあるから仕事は任されましたが、給与にはなりませんでした。会社に「ライターが写真を撮影できる」ときの給与体系が準備されていなかったからです。
その点フリーランスであれば自分でビジネスをデザインできるわけですから、私の例で言えばライティングのオプションとして撮影も行えば、その分も確かに収入につなげることができる…というわけです。
■短所
もちろん、短所もあります。フリーランスの場合は短所というよりリスクです。
まず会社員と反対に、何か事件が起きた時に自分を守ってくれる存在がいません。仕事中のトラブルや問題は全て自分で解決に導く必要があるということです。
さらに社会保険料や年金、確定申告など、工数のかかる事務処理を仕事と並行して進める必要があります。これは決して楽なことではありません。
どんなキャリアを歩めばいいの?
会社員として働いていれば、一般的には徐々に役職がついて仕事の領域が変わったりして収入が上がることがほとんどです。
企業に社員として雇われるライターも同じことが言えます。マネジメントをはじめとしたより高度な業務に就くことで成長していくのが一般的なキャリアパスです。
では会社員でないライターはどのように所得をアップしていけば良いのでしょうか?
ライターの収入の上げ方は、できることを増やすこと
ライターとして所得や年収を上げる方法は大きく分けて3つです。
- 受注する仕事の数を増やす
- 受注する際の単価を上げる
- 所得を上げるための仕組みを作る
スピードを上げれば、それだけこなせる仕事の量も増えます。仕事をこなした分だけ収入が上がるのがフリーランス・副業だとすれば、当然年収もアップします。
またスキルが上がって実績がつけば、より高額な単価の案件が受けられるようになります。一つひとつの案件の単価が上がれば、単純に量だけではなく質を高めることで対価を上げられるような仕事にも取り組めます。
では「所得を上げるための仕組み」とはどんなものでしょうか?
ライターとして何ができるといい?
例えば「書く」ことのほかに「書く人をまとめる」ポジションに就くことです。つまり「書くスキル」を一定まで高めて実績を築いたら、それをタネにして「マネジメント」側に回れば良いのです。
こうなれば自分が手を動かさなくても、他のライターに作業を外注して自分は取りまとめをすれば定期的に収入が見込める…という循環を作り出すことができます。
このように、ライターとして収入を上げるには「できることを増やす」のが大切です。特にマネジメント、企画、コンテンツのディレクションなど、一定の仕事をこなしたからこその「俯瞰の目線」を身につけることが大切です。
AIに淘汰されない「ライター」って?
ライターもまた人工知能に仕事を奪われる存在
AI(人工知能)の開発が進んでいる昨今は、ライターの仕事も当然「AIに奪われる」ことが推測されます。それほど自然言語処理の研究は進歩を続けているのです。
例えば様式がある程度決まった広告のコピーは、向こう5年もしたら一定レベルのコピーパターンをボタン一つで数100種類生成するようなプログラムが生まれると考えています。
1000文字のコンテンツを30分で作れる人材は、2019年なら重宝されます。では2030年も重宝されるかというと、おそらくそうではありません。
なぜなら30分でコンテンツを一つやっと作り上げる人間より、ボタン一つを押した瞬間に数100パターンのコンテンツが生まれるプログラムにお金を払うのは当然のことだからです。
必要なのは「意思」をもったライターになること
しかし、AIになくて人間だけが持つものも当然あります。それこそ「こんなことがしたい」という意思の力です。
コンピュータの仕事は「こうしたい」という意思を技術の力で実現することです。「言われたことを凄まじいスピードでカタチにする」のがコンピュータの技術であると言えます。
しかしコンピュータは自らの意思で「これをしたい」とは考えません。だからそこに人間の、いやライターの存在意義があるのです。
人間は0と1のデジタルな回路ではなく、生物的な匂いのあるアナログな脳回路を持っています。だからこそ自らの意思で「こうしたい」「これをしたら面白そうだ」と発想できるのです。
記憶や思い出という、簡単に言葉にできないことを頭の中でアナログに組み合わせてインスピレーションを起こせるのが人間の強みだといえます。
それこそがまさに、ライターの価値です。取材に行ったならばそこで感じたことを表現するために、明確な意思を持ってAIに指示を出す側になること。たくさんの記事を作って新たなWebメディアを作りたいのならば、大量に記事を作るための手段としてAIを扱う側になること。
それこそ、これからのライターという仕事の在り方の一つです。
まとめ
この世は「書く」仕事で溢れてる。あなたはライターになれる。
それがこの記事で一番伝えたかったことです。
会社員からスタートするもよし、副業からはじめるもよし、自分の力を信じてフリーランスに挑戦するもよし。転職サイトで「ライター」と打ち込めば、きっとそれだけで今まで見たこともなかったような仕事の数々と出会えます。
そして的確にできることを増やしながら「自分がやりたいこと」という意思を見つけましょう。そうすれば将来にわたるまでずっと「書く」ことに携わる仕事で生きていけるはずです。
「書く」仕事で生きていきたい人へ。
もう我慢する必要なんてありません。
好きなことで生きていこうぜ。